ドストエフスキーは、奈落に続く、ひたすら、ひたすら、下り坂

2012年11月27日 12:54:44

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来年は、ドストエフスキーをやり直そうか。

これまでに読んだドストエフスキーの評伝評論で、これは! ってものをあげてみた。
たくさんのドスト評、ドスト伝、ドスト解を読んできたけれども、
ここに挙げた6冊は、とても心に残っている。来年は、ドストエフスキーをやり直そうかな。

ドストエフスキーを全巻通読する。それを思うだけで身震いするほど嬉しくなる。
そんな時間を想像するだけでにこにこしてしまう。嬉しいし、にこにこするが、だが、
相手はドストエフスキーだ。読んでいる時間、そして読めば読むほど、坂道を下る感覚が付きまとう。

それは、うまく説明できない。太宰は先の見えない果しなく細い道を歩いている感覚、
安部公房は、登ったり下ったりしながら、緩やかに曲がりながら、気付いたら同じ景色を見ている感覚。
埴谷雄高は、道の無いただただだだっ広いというか、広さのない茫漠とした面の上をうろうろ歩いている感じ、

そして、ドストエフスキー。緩やかに緩やかに下り、どうやらその先は真っ暗らしく道が続いているかどうか、
先が不明なれども、ずるずると引き込まれていく感覚の歩行。それは、快感では、決してない。
快感ではないが、体の奥底で、本能レベルで、抗うことのできない衝動なんだ。

来年は、ドストエフスキーをやり直そうかな。

『埴谷雄高ドストエフスキイ全論集』埴谷 雄高
『現代思想2010年4月臨時増刊号 総特集=ドストエフスキー』亀山 郁夫
『ドストエフスキイの生活』小林 秀雄
『ドストエフスキー伝』アンリ トロワイヤ
『回想のドストエフスキー』アンナ・グリゴーリエヴナ・ドストエフスカヤ
『評伝ドストエフスキー』コンスタンチン・ワシーリエヴィチ モチューリスキー

『白痴 ドストエフスキー原作』ウラジミール・ボルトコ
『罪と罰 ドストエフスキー原作』ディミトリー・スヴェトザロフ
『カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー原作』ユーリー・モロズ