30年煙草を吸ってきて、ようやく煙管にたどりついた

2012年11月30日 21:46:12

写真

一服つける

昔からそうなのだが、本当に一服でいいのだ
二口三口、煙草の葉の香りとそのコクを味わう
だから、フィルターのついた紙巻煙草は嫌いだ
どうしても味が薬品臭くなる
それがなんともやりきれない
タールがどうしたニコチンがどうした、という問題とは、別だ
煙草の葉が燃え、その香りとコクを肺一杯に吸い込む
煙草を吸うのではなく、一服つける

30年、ショートピースを吸っている
もちろんフィルターはついていない

一服つけるには、一本の紙巻きたばこは、長い
とても吸いきれない
いきおい二口三口つけたところで火を消すことになる
煙草がきついからではなく、一服で充分だからだ
貧乏くさい話だが、消した煙草がもったいなく思う
だから、いわゆる「シケモク」に火をつける
おいしいわけがない

おいしくはないが、そうしていた

そして、煙管だ
突然の出会いだった
「そうだ! 煙管にしよう!」って感じだ

煙管で一服つける
これが、とても具合がいい
まさに一服つけるための道具だ
写真に写っている「小粋」というのが、煙草の葉
これが、360円
一体どのくらいもつのか
概算でも、紙巻きたばこよりもはるかに安上がりだ
灰皿も汚れない
燃えカスのわずかな灰がそこにたまるだけだ

煙草の葉の香りとコク
仕事の合間に一服つける
ようやくここにたどりついたか、という思いだ

一週間、煙管で煙草をつけていた
そして、久しぶりにショートピースに火をつけてみた
そしたら、それまで気付かなかったが、紙が燃える味が混じっている
大好きだったショートピースにもそんな雑味があったか
寺山さんが吸っていたショートピース
三島さんも吸っていたショートピース

二度と吸わない、とは言わないが、煙管の混じりけのない味は格別だ
煙管は、吸っていると、管内にタールがついていく
夜、一人、それを掃除するのもまた楽しい時間だ

今日も仕事の合間に一つまみ

一服つける