天井を眺めながらいろんなことを考えているのだが

2013年11月4日 23:59:22

することもなくぼんやりと寝っ転がって
なんか楽しいことを考えようとしているのだが、これがなかなか難しい
よし! 楽しいことだ! とシフトチェンジしてみる

そうすると、「楽しいこと」って何だろう、と考え始め、
そもそも「楽しい」とは何だろうと、と考え始め、
(んー、楽しい、楽しい、楽しい・・・・)と、訳の分からない無間地獄

例えば、とってもかわいい女の子とドライブをすることを思い浮かべる
車は、よし、持っていることにしよう! 車種は、大好きなミニクーパー!
二人で乗って、大好きな東名高速へ! 楽しそうじゃないか!

と、しばらくすると、何故か車内の音楽は、「SION」に変わってて、
「ガード下では目の見えない男がハモニカ吹いてる
盲目の人生ですが
なぜかまだ生きていたいと
書かれた段ボールの横で
電車と車と足音に蹴飛ばされて
あんたに恵みはない
だけどあんた吹くのをやめない
まるで息をするためにそうしているかのように」

こんな歌が車内でかかる頃には、
あのなんだかとってもかわいらしい女の子の顔がなくなっているのだ

そのうちまたかわいらしい顔も出てくるだろう
ドライブ! ドライブ! ぶーぶー
SIONが唄い続けている

「気にしないで行く
気になっていても
いくつでも数えな
俺は好きな時に飛ぶ」

そうだ! 俺は好きな時に飛ぶんだ! 邪魔をするな!
この東名高速が滑走路だ! 俺の滑走路だ! 邪魔をするな!

と、楽しいはずのかわいい女の子とのドライブは、
作品を発表するいつもの会場・・・
「好きな時に飛ぶ!」

そうだろう!

俺たちの行く手を遮るものは、この手でいつも刈りとってきた!
邪魔をするものとは、戦い続けてきた!
そうだろう!

筋を通してきたんだ!
約束は守って来たじゃないか!
そうだろう!

なぜか、ぼくは小さな会場の中でアジテーションをしている
あれ? 楽しいことを考えることをしようと思っていたのにな
さあ、稽古だ!

二層思考の中でアジテーションと楽しいことである表層がめぐる
天井を眺めながらいつしか稽古が始まっているじゃないか
大好きなオープニング! 曲はこれだ!

と、頭の中で作曲が始まる
ロックだ! ハードで壮麗で重厚で煌びやかで破壊と創造を同時に行う曲だ!
幕をひき落とせ!

いかんいかん、先走り過ぎている
そりゃまあ、きっとかわいい女の子とのドライブより稽古が楽しいのはわかってる
最初からわかってたんだ、そんなことは

とはいえ、だ

こうして為すすべなく天井を眺めている時、もう少し降ろしてくれてもいいじゃん
ダメ?

ちくしょう! こうして、天上を眺めているだけでどんどんできちゃうじゃん!
作品がどんどん出来上がっていく
滑走路は稽古場だ! 筋を通せ! 義理を欠くな! 約束を守れ!

俺たちの言葉は一体なんだ!
俺たちの言葉はどこにある!
言葉と戦い続けてきたんじゃないのか!

眺めている天井に舞台装置を組み始める
末期症状だ・・・
天井がカラフルに染まっていく

んー・・・・

楽しい