高橋和巳

2014年5月3日 23:27:34

高橋和巳

『孤立無援の思想』を今も叫び続けている。
その声がはっきりと聞こえるのだ。聞こえるのだ。

電話で鈴木邦男さんと話す。

「どうして寺山修司や三島由紀夫は、今もみんな芝居をするのに
高橋和巳とかはやらないの?」

鈴木邦男さんは、そう聞いた。
寺山さんの大きな一面は演劇人であり、三島由紀夫もたくさんの戯曲を残し、
また、二人とも舞台に対する向き合い方が、あった。
しかし、高橋和巳はどうか。
というこは、もちろん鈴木さんはわかってのことだ。

ぼくは、高橋和巳を叫び続ける。

真夜中に鈴木邦男さんと話す。
「高橋和巳をやればいいじゃないか」

やっていますよ。こないだも、ほら、鈴木さん、ぼくたちの舞台に高橋和巳はいたでしょ。

孤立無援の思想を叫んでたじゃないですか。

おお、そうか。

『孤立無援の思想』をぼくは聞き続け、叫び続け、書き続けている。


「内に省みて恥ずるところなければ、百万人と言えども我ゆかん」

という有名な言葉が孟子にあるけれども、

百万人が前に向かって歩きはじめているときにも、

なおたった一人の者が顔を覆って泣くという状況もまた起こりうる。

最大多数の最大幸福を意志する政治は当然そうした脱落者を見すてていく。

これも拒絶し、あれも拒絶し、そのあげくのはてに徒手空虚、

孤立無援の自己自身が残るだけにせよ、

私はその孤立無援の立場を固執する。

高橋和巳は、39歳で死んだ。
見沢さん、46歳で死んだ。
寺山さんは、47歳で死んだ。

ぼくは今年、47歳。



そして、高橋和巳を歌った森田童子の『孤立無援の唄』

今日は、何度も何度も、レコードが回る。