何故芥川に共感しているのだろう

2014年10月13日 01:10:24

もちろん小さな頃から知っていた
普通に出版されている作品は全部読んでいるだろう
けれども、10代、20代、30代とあまり芥川にハンドルが向かなかった
「上手いなー」と思っていたし、「凄いなー」と思っていたし、
その文章のリズムと美。その虚構性のあまりの高さ
古典に普遍性を観、それを表現にまで高めた技術と先見
と、書くと芥川が原稿用紙に真っ向から向き合って「格闘」したような印象だが
きっと、違っていたと思う
朝ごはんを食べるように今昔を読み解き
お昼を摂るような当たり前の日常の中でそれを書いたような気がする
芥川を読み直している
そして、驚いた
今も驚きのあまり笑ったりしている
ちくしょー、もっとちゃんと読み込んで来たら良かったと思っている
いや、この年になったから、芥川をわかりはじめたのかな
あの虚構性の裏に隠しようもなく見える芥川の現実への不安
それが手に取るようにわかるのだ
そして、その不安を抱え込んだまま芥川は自死を選んだ
そりゃそうだ、芥川さん、死ぬしかないよな
なんて同じ場所にたったような感じで声をかけてみる真夜中なのだが
生きる理由は同時に死ぬ理由である、というぼくの持論がそのまま
芥川の理解におちこんでいく
不安故に生き、不安故に死んだんだ
不安か

それにしても、だ

これほどの作品を一人で読むことができるなんて、やっぱり本ってすごいな