『9.11-8.15日本心中』監督/大浦信行

2007年3月9日 22:19:52

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久しぶりに素晴らしい映画を見ました。
東中野にある小さな映画館。
前日までの暖かさが嘘のように冷え込んだ一日。

一階の喫茶店を横目に、
劇場のある地下へと降りていく。
(劇場は、地下がいい)
と、やはり、そう思う。

『9.11-8.15日本心中』
監督/大浦信行

恐ろしいほどの喚起力・・・

言葉と映像が引き起こす恐怖。
これは、テロだ・・・
これこそが、テロルの本質だ。
一枚、一枚、また一枚と映像の中で監督が仮面を剥いでいく。
日本の仮面を、秩序の仮面を、希望の仮面を。

これは、テロだ。

登場する人物が語る言葉の背景をトレースする間もなく、
その背景が自分になだれ込んでくる、暴力。
静かに静かに自分の痛みを確認させられる。

見終えて数日がたち、

手元にチラシをパンフレットがある。
それを見ることすらためらわれる。
何故か、

何故か、
それは、
この映画が、新しい秩序を啓示しているからなのだと、
今日、不意に思った。
新しい秩序。
それは、この日本に定着しそうになかった、
個と全体の間をただよう実存の証明。

そうか・・・
その証明を目の当たりに見せられた故の恐怖か・・・

しかし、もう一度、見よう。
もう一度、見るだろう。
そう思う。

ああ、DVDを買おう!

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映画が終わった後のロビーで記念撮影。
左から、
鈴木邦男氏、
大浦信行監督、
そして、自分。

そのまま、数人で居酒屋で談笑。
たのしいひとときは、あっという間。

外は、真冬の寒さ。
山手通りの果てに、新しい実存。
早稲田通りの先に、日本発の実存。

バイクを走らせながら、つぶやく。

希望が、ある。